青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない 第13話 感想

ついに『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』も最終13話へ。

※この記事には最終話のネタバレを含みます。

13話「サンタクロースの夢を見ない」のあらすじ

寧々は、恋人である福山拓海に思い出してもらえなかったことをきっかけに、“寧々”としての人生を捨て、完全に「霧島透子」だと思い込むようになってしまう。

そんな彼女の思春期症候群を治せるのは、拓海しかいないと確信した咲太は、赤城郁実とともに、拓海が帰省している北海道へ向かう。
空港でふたりを出迎えた拓海に、咲太は寧々が学園祭のミスコンで優勝した際のトロフィーを差し出す。そこには、“寧々”として確かに生きていた彼女の時間が刻まれていた。

拓海と寧々の決着

北海道に到着した咲太は、寧々がミスコンで優勝した際のトロフィーを拓海に手渡す。その瞬間、拓海の中で止まっていた時間が動き出し、忘れていた寧々の存在が鮮やかに蘇った。

咲太の働きかけによって記憶を取り戻した拓海は、もう一度寧々に想いを伝える。かつて自分を忘れていた彼からのまっすぐな告白は、寧々の中に眠っていた“寧々”としての記憶と心を揺り動かし、彼女自身もまた、本当の自分を取り戻していった。

寧々は、何者かになりたいと願いながらも、現実ではうまくいかない自分に苦しんでいた。そんな自分を受け入れることができず、理想の姿を“霧島透子”に投影することでしか、自分自身の存在価値を見出せなくなっていたのだ。

けれど今、彼女にはいる。“寧々”としての自分を知り、大切に思ってくれる人が。
自分を大切に思ってくれる大切な人がいる」——その実感が、彼女に本当の意味での居場所を与えてくれた。

こうして、拓海と寧々は改めてお互いにとって、かけがえのない存在となった。

桜島麻衣が危ないの真相

寧々はようやく、自分を縛っていた“霧島透子”という幻想から解き放たれた。
「霧島透子は私じゃない。他にもいる」——そう言って、咲太に真実を託す。

咲太たちは急いで、麻衣が一日警察署長を務めるイベント会場へ向かう。だが、観客席にはサンタクロース姿の“自称・霧島透子”たちが現れていた。彼らは咲太にしか見えない存在。

混乱した観客たちが、霧島透子を名乗る麻衣を一目見ようとステージへと殺到。会場は騒然となり、押し合いの中でスピーカーがステージから崩れ落ちる。

咲太はとっさに麻衣をかばい、スピーカーに頭を打ちつける。視界が揺れる中でも、彼は懸命に訴え続けた。混乱は次第におさまっていき、ようやく会場に静けさが戻る。

——だがその瞬間、咲太は崩れるように倒れ、意識を失ってしまう。

これまでの仲間たち集合

咲太が倒れた直後、彼を心配してイベント会場に駆けつけていた双葉、そして咲太を乗せた救急車を運転していたのは、なんと消防士になった国見だった。かつてのクラスメイトが、今では“命を守る側”として咲太を支える立場にいるという演出には、胸を打たれるものがありました。

病院には、花楓がいち早く駆けつけ、兄の無事を確認しようと必死な様子を見せる。さらには、バイトの休憩時間を見計らって古賀と姫路も到着。わずかな時間でも咲太のもとへ駆けつけた二人の表情には安堵がありました。

こうして気がつけば、咲太の周りには、彼を大切に思ってくれている仲間たちが自然と集まっていました。最終回でこれまで登場したキャラクターが集合するという展開は、ある意味“最終回あるある”ではありますが、とても自然で、心地よく感じられました。咲太がこれまでに積み重ねてきた出会いや関係性の“答え”のようにも思え、じんわりと温かいものが広がるワンシーンでした。

霧島透子の正体とは?

寧々が抱えていた「霧島透子」という存在は、彼女自身がそうだと思い込んでいただけの幻想に過ぎなかった。彼女の中で確かに存在していた影は、本当の透子の姿とは重ならなかったのだ。

そして、麻衣が一日警察署長を務めたあの日、会場に現れたサンタクロースの衣装をまとった人々もまた、自分こそが霧島透子だと信じて疑わなかった。しかしその思い込みは、まるで意志を操られるかのような、洗脳に近い状態だった。彼らの中にある“霧島透子”は、本物とは似て非なるものでしかなかった。

12話で美東とのやり取りの中で示唆された通り、「自分が霧島透子だ」と思い込む人間は、観測されなくなっているだけで、まだどこかに潜んでいるのかもしれない。だからこそ、“霧島透子”とは一つの名前や姿ではなく、多くの思い込みや影が入り混じった、終わりなき謎のような存在なのだ。思春期症候群は終わらない。

感想まとめ

今回から大学生編がスタートし、咲太は広川卯月や赤城郁美、姫路紗良、そして岩見沢寧々といった人物たちの思春期症候群に向き合うことになります。

高校生編では、思春期症候群の“問題を解決する”ことが物語の中心にありましたが、大学生編はよりリアルで現実的な描写が増えた印象です。思春期症候群も、ただ単に「治す」「消す」といった形ではなく、それぞれが自分の中にあるそれをどう受け止めていくのか――そんな内面の変化や成長に重きが置かれている気がします。

この変化が物語に深みと説得力を与えていて、今後の展開がさらに楽しみになりました。

続編の発表、物語は完結へ

アニメラストでは、続編となる劇場版『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』が、2026年に公開決定しました。

最新情報は、公式ホームページ でチェックできます。

また、公式予告動画も公開中です。ぜひご覧ください。

終わりに

1つ気になっているのが、美東美織の存在。
アニメの要所要所で咲太にヒントを与え、物語の展開に深く関わってきた彼女は、まさに“鍵を握る”存在のひとりだろう。加えて、グッズ展開も多く見られることから、今後の物語においてさらに重要な役割を果たすのではないかと感じさせられる。

未だ多くの謎に包まれた少女・美東美織。彼女の言動には、これからも注目していきたい。

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